安倍首相は長期政権となり、かなり不満を感じている
人たちがいるようである。
それも、かなり強い感情で、不満を感じているように
思う。
この不満の元となるのが、ナショナリズム、国民国家の意識
であり、安倍首相が日本を統治していると信じている
からこその、強い不満の感情がある。
以前も書いたが、僕は、安倍首相がこの国民国家を
統治しているとは思っていない。我々の生活を冷静に
振り返ると、我々を本当に統治しているのは誰/何
だろうか?
例えば、消費者金融から多重債務を抱えている人にとって
は、消費者金融に自分の生活をコントロールされている、
と感じるだろう。彼/彼女には、安倍首相の影というものは
全く関係がない。
人それぞれに、対立しているもの、味方であるものという
のは異なる。そこを理解しないと、「何故、安倍政権が
こんなに悪いのに、大衆全てが安倍を敵と見做さないのか?」
という疑問は残るだろう。
小泉改革が日本を壊したとか、安倍政権が日本を壊したなどとは
よく言われる。実際的には、非常に抽象的な扇動の類のように
思う。
僕は、それよりも、制度というものに不思議さを感じる。
自治会/町内会に、「青年育成部」というのがある。以前、
ある過疎地で、自治会の役員を出せずに、自治会を解散した、
というニュースを読んだ。そこの自治会は、青年なんて
いやしないのに「青年育成部」の役員を選出していたという。
単独で存在する自治会の方が稀であり、ほぼ、「連合自治会」
等々に組み込まれていく。災害対策という名目はあるには
あるが、公的部門が維持されたまま、少子高齢化社会を
迎えていくのは、日常的にはかなりきつく、これでは
災害が来た時は疲れきってしまうように思う。
僕にとっては、であるが、安倍政権が何をしようが
生活には全く関係がないが、自治会/町内会の役員に
選出されてしまう事の方が、重大事である。
逆に、文筆家、批評家でもないのに、「反安倍政権」が
生活の中心になっている人は、どういった立場で
どういった生活スタイルがあるのだろう?と思って
しまうのである。
安倍首相が首相だろうと、共産党や民進党から首相を出そう
と、現行ある制度というのは続いていく。我々を直接的に
支配しているのは制度であり、法律である、と僕は考える。
生政治という観点からいえば、安倍首相だけでなく、
上司や会社、発言力のある人など、我々は様々な人間に
統治されようとしている。
安倍政権の問題点というのは、あくまで”安倍政権の問題点”
にしか過ぎない…と僕は思う。それが、人生の重大事にまで
発展してしまう心理の正体こそが、国民国家という概念、
ナショナリズムのひとつの形であるといえる。
この記事について
このページは、2020年1月11日の午後1時20分に最初に書かれました。
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