Nikkori

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三月の飲食店の売上は、軒並み二割~四割減であった。これは歴史的な激減のようだ。しかし戦時モードのようになっているので、これだけ自粛しても「まだ足りぬ」などと言われており、「一切外出してはイケマセン」なんて、僕はとても呼びかける気にはなれない。
 
目に付く呼びかけの人たちは、収入が崩れそうもない著名人、医療関係者である。彼ら、彼女らは、どれだけ自粛しようと収入が減る事はなさそうであり(影響はしていると思うが)、飲食店からすれば、半減、それ以上減っているというのに、それ以上呼びかけてくれるな?と思ったところで、責められる筋合いはない。自粛は足りぬ、と言われているが、少なくとも、ここまで数字にあらわれるほどの自粛をして、実際倒産も失業もでている状況で、ここまでの「自粛」を褒めても良い。
 
「自粛」「疫病VS人類」が大正義となって、医療関係者が雀躍して、ここぞとばかりに、他の案件もぶち込んできて、ますます「健康!」というものが力を増してきている。雀躍というのは言い過ぎかも知れないが、医者というものは一定程度にサディストが混じっており、外科医を抱えているところは切りたがる、というのを見てきている身としては、そのまま、医者の言葉は信じられない部分がある。
 
問題は、最適な自粛というのが見えないところである。どの程度自粛をすれば、最も疫病の被害者が少なく、かつ、経済的な打撃が少ないか?という均衡点だ。本当に完全なる自粛をして、外食はテイクアウト以外売上ゼロ、カラオケは売上ゼロ、ナイトクラブは売上ゼロ、風俗業は売上ゼロ、となるのが目標なのだろうが、そんなように行政や医者がいくら言っても、やはり思うのは「あなた方は倒産もしないし、失業もしないでしょう?」という事である。メディアに出てくるのは人格者の医師が多く、「自粛なんかしないよヒャッハー」という連中の映像は選りすぐりのクズを映す…というのは、フェアではない。
 
そもそもコロナ渦の前から、健康は大正義、医療は大正義であり、病院はまず診断ミスというのをほとんど認めるという事はない(訴訟になるからである)、という状況、まず医者の歴史からして、日本において国民皆保険になったのは確か戦後からぐらいで、かつては金持ちしかまともな医者にかかれぬのが普通の時代が長かった、故に「頭を下げる」という訓練が絶対的に足りない、それはそれで良い、「医療崩壊」なんて言うが、人類の長い歴史の中で、ほんのこの、せいぜい100年ぐらいが、医療の質と量を担保できていただけであって、そうじゃない状態が均衡点でなくてもあまり、不思議さは感じない。医療というのは鉄火場であり昔から滅茶苦茶な部分もしっかりあって、それはそれで仕方ないとは思っている。どうしようもない事はある。自粛に協力しない国民・労働者・消費者も良くないが、医療関係者・専門家・行政も決して傷のない訳ではない、傷は相互いである、足りぬ自粛であっても、ひとまず、行政と専門家は、ここまで国民が自粛した、というのを、少しは認めて褒めても良い。満点を取らないと決して褒めない父親のようで嫌な気分になるぜ。


この記事について
このページは、2020年4月5日の午後12時50分に最初に書かれました。
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