Manga-Fushi

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大商業作家が風刺をしてはいけない、というように考えてしまっては僕もいけないと思うので、このあたりの事をもう少し考えてみたいと思う。
 
まず、「本当に炎上したのか?」という点と、「炎上したから良くないのか?」という点だ。昨今は、すぐに「炎上した」と認定されてしまう。そして、認定されると、「これこれ、このような理由で炎上した。この人は悪い人だ」というネットメディアの後追いがなされる。
 
ニュースにおいても、ヘッドラインの部分ばかりが話題になる、編集の意図の強い編集がなされる、といった塩梅式であり、まず、多様な現実というのを認識したくば、本を読み、体系的に勉強し、自分の目と耳で街を見ていく必要があろう。東京は閑散としている、という画像やニュースを見たとして、そうでない時は混雑しているかも知れない。渋谷の街から、人間がひとりもいなくなって「良かった!」ではない。あそこから人が消えたら終わりである。どんなに疫病が蔓延していたとしても。
 
インターネットにおいて、もっと力の入った風刺、複雑な構成の皮肉…というものが、市井のアカウントから作り出されている。それを、大商業作家の片手間で、ちらと、これ見よがしに開陳されたとしても、「風刺」というものの「名誉」の欲を、見てしまう。民主主義が曲りなりにも続いて、風刺というものも自由にできるようになり、ましてやネットではもっと過激な風刺もある昨今、「風刺」というものの価値は下がってしまった。「これがプロの風刺だ!」というものの価値が、下がっている。風刺というものに対する無力感もあろうと思う。風刺が無力であるなら、せめて楽しくなりたい、という情もあろうと思う。
 
それを踏まえて、最初の話に戻るが、「本当に炎上したのか」、そして「炎上したらそいつは悪い奴なのか?」という点である。最初に書いたエントリーで、ちと、とある漫画家を悪く言い過ぎて、反省した方が良いかなーとは思っている。ただ、その人に対しては、何とも言えない感情があるのかも知れない。恐らく期待があるのだろうが、そんな期待はもう昔の事であって、長く見た夢が本当の夢とは限らないのである。


この記事について
このページは、2020年4月7日の午後8時54分に最初に書かれました。
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