2019年、令和元年の紅白歌合戦の目玉は
「AI美空ひばり」であり、これにNHKが投資をして
プロダクトとして「AI美空ひばり」は完成された。
ハルオロイドというのがあり、ボーカロイドの技術で
三波春夫のVocalを再現したものがある。
これと同様、クリプトンの技術で「美空ひばりロイド」は
開発されたようである。
声だけでなく、映像も再現されたようだ。不気味の谷という
だけでなく、美空ひばりを再び、肉声と肉体を持ったアイコンと
して再現したい、という意図はあるように思う。
この技術を応用すれば、夭逝したミュージシャンを商業的に
延命する事が可能だ。これまでも、未発表音源を発表するなどして
コンテンツを出していく形はあったが、これが定型となれば、
新曲を出す事も不可能ではない。自動作曲の技術も進んでいるし。
しかし、やはり残る違和感というのは、やはり死んだ人は死んだ
人なのであり、死んだ人を蘇らせるのは、この場合、
商業的な要請で動いている生きた人間、私欲ある人間であって、
嫌だなーと思うのは当然の理であるとは思われる。
AI美空ひばりのような、死んだ人間をアイコンにするにあたって
技術を使う…これは、問題点に関しては、かなりやり方で何とか
なるものであり、寅さんの映画も同様な試みをしているが、
この手の批判はあまり目にする事がない、
何事にも、程度問題であるとか、演出であるとか、
やり口であるとか、何より、作り手の「志」がどうであるか
というのが、重要なように思う。
現代人にとって、かなりのインパクトのあるコンテンツで
あるからして、これが批評や評論や引用と同様であるというのは
論外であるから、ここではあまり触れたくない。
AI美空ひばりは、ちょっと、NHKやプロデューサーの野心や
私欲が目立った部分もあって、コンテンツとしては成功で
あるけれども、マーケティングとして成功したか、と
問われれば、多少の疑問符を付けてもそれほどおかしくは
ないだろう。
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