本は色々と並行して読んでいるのだが、
まだ5%ぐらいしか読んでいない「アンチ・オイディプス」。
序盤までの内容は、いわゆるフロイトが提唱する
オイディプス=つまり父・母・子の三角形、
心理学はそれに囚われすぎている、という内容である。
あまり反米をイジるのもあれだが、
とかく反米主義者は、ヨーロッパの伝統なんかに回帰しがちで
あるのだが、いわゆるフロイトの「オイディプス」には
無防備な面はあると思う。
ネット右翼なども、フロイト的な反論を試みる事があるように
見受けられる。
反米主義というのは、アンチ・アメリカニズムであって、
全てのアメリカ人を憎む訳ではない。しかし、その「アメリカニズム」
というのが、流動的になっている現在、アンチ・アメリカニズムというのは
どういう意味を持つのか?という点については、
反米主義者を語るなら、はっきり言うべきだとは思う。
反米主義にしろ、反日主義にしろ、
非常に短いフィードバックの考え方のような気がして、
要は嫌いだから叩くといった以上の深さはないように
思うので、ある種の聴衆の留飲を下げるという以外の意味は
ないように思う。ただ、人間には感情があるので、
そういう感情にも一定程度の敬意は必要かな、とは思う。さて…。
「毒親」本ブームも、漫画エッセイ中心にあるが、
実にフロイト的解釈に満ち溢れている。
僕も、これまでフロイトを疑うという事はなかったが、
自明のようなオイディプス=父・母・子の三角形が
現代の人間の深層心理に根を下ろしている、という、
これは科学の物語と言えるかも知れない、
「アンチ・オイディプス」はなかなか、興味深い本では
あるな、と思っている。
父親のトラウマであるとか、母親の束縛であるとか、
心理学者によって診断されたその症状は、
果たして「子」にとって、絶対的なものであるか…。
元祖・毒親本と言えば、僕は内田春菊ではないかと思っているが、
アンチ・オイディプスの観点から内田春菊を読み直すのも
面白いかな、と思っている。
ジョン・アーリをだいぶ読み進めて、次のテーマがなかなか
見つからなかったが、「アンチ・オイディプス」を読んで
いこうと思う。確かに、意味不明な記述もあるが、
詩情によって何か新しい事を言わんとしているのでは
ないかと…。
フロイトはフロイトで読んでみようと思う。
リンクは張らないが、「アンチ・オイディプス」はKindle版も
出ている為、Kindleユーザは注目されたい。
ただ…少なくとも、現在の心理学が親子関係のモデルを拡張したものであって、
それ以外の適切なモデルがどこまで浸透するか?というのは困難だろうが、
少なくとも、いち読者、いち個人としては、フロイトやユングの残した
「呪い」からは自由になりたい、とは思う。
毒親の呪いとは、実はフロイトの呪いではないのか…。
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