小池都知事の2020-03-30の会見を見た。
専門家会議での意見をまとめて、それが都の見解になっているようだ。
そこで自粛するように列挙された業態…。えーと、若者はカラオケ、クラブ、中高年は接待を伴うナイトクラブだったっけ?
確かに、パチンコ…という業態をスルーしているのは風営法の闇か…。
風俗業…広義の風俗業、狭義の風俗業、この問題は非常に曖昧にしている、塩梅的な行政であるので、あまりクリアーにできない…という問題があるのだろう。
「濃密な接客」こそが商売の生命線である、ある種のサービス業で、このあいまいなソフト・パワーの自粛要請というやつ、何とも、難しい問題だなーと思う。
世の中、グレーゾーンもあり、建前論だけではないのだが、こういう状況になってしまって、とても難しい舵取りになってきたなあ、と思う。
こういう仕事の方々でも、しっかり税金は納めている訳であって、コロナを仮に耐え抜いて、収束したとしても、この方針が風俗営業に与える影響というのは残るように思う。オリンピックとコロナにかこつけてね…。
煙草もダメ、濃厚な接客もダメ、世の中がひどく真面目になっていくようで…。表層文化としての「クール・ジャパン」ばかりがもてはやされる。この街に文化はない、なんて言う人も、表層文化しか見ていない。ちょっと、お堅い人たちっていうのは、悲しいものの見方をするなあ、と思う。
専門家会議も、緊急事態宣言を都内で出すべき、という意見がある。内部からも指摘があるが、リスケ…リスクコミュニケーションの問題を忘れているように思う。現状、どれくらい都内で感染率があるか、それをサンプル調査しないままそんな宣言を出したら、スーパーや病院などに人が殺到してパニックになる事は、目に見えている。専門家の知見というのは、はっきりいって当たり前の事だ。その裏付けも大事であるが、国民、都民と、どうコミュニケーションを取っていくか、というのがとても大事であるのに、どうも、そのあたりが甘く見られているように思われる。
前にも書いたが、お医者様や行政というのは、まず失業しない職業であって、そういう方々が、「夜職」を狙い撃ちにして「お前らのせいだ」とやれば、これは相互不信を生む。だからこそ、コミュニケーションが必要であるし、風営法のグレーな運用の絡みもあって、非常に歯切れが悪い状況になっている。この期に及んで、「パチンコ」という業態に触れないのは、それこそ、業界利権を疑われても、無理はあるまい。
要請で名指しされた業態…についても、非情に曖昧な感じを受ける。風営法で行政上の区分の用語もあろうから、もう少し、明快な言い方が必要だったように思う。営業を停止するでも、禁止するでもなく、「要請」であり、僕の解釈としては、よくわかっている店で、よく知っている間柄で、少人数であれば構わない、というように思ってしまう。まず専門家会議に呼ばれるような方々は、失業の恐れのない方々であろうから、そういう方々が、衛生面だけを考慮した助言をする…というのは、あまりに無慈悲なようにも思う。本来、そこをフォローするのは行政なのであろうが、ちょっと、ちょと、この手の稼業を甘く見ている部分もあるし、いっそ”浄化”しようという腹積もりであれば、それこそ文化を殺す。表層文化だけを残そうとするなら、それは滅びゆくある種の伝統文化の二の舞になってしまう事がわかっていない。
行政において、特定の業態へ行く事を控えるように言うのであれば、その業態に関しては、特に重点的に税金その他の面で優遇してやらないといけないように思う。それも相当だ。業務委託契約で個人はやっているだろうから、その手の個人補償、店舗の方の補償、というようにやらないと、夜の文化なんてこの際滅ぼしてしまえという考えであるとするなら、日本の未来は真っ暗、四角四面の、カッチカチ国家になってしまうだろう。
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