テレビの話で恐縮だが…。
例えば、ミュージシャンでも俳優でも良いが、
人気のある人、人気のあった人がバラエティ番組等に
出る…というのは、相当、ピエロを演じる必要がある。
ピエロを演じ、自分の知名度を笑いに変える、
そのプライドを捨てるところが、視聴者に供給する
笑いどころになっている。
だから…。意味が重い人というのは、なかなか
簡単に起用できないのではないか…?ひな壇のハジに
座らせて、突っ込んだり無視したり、軽い扱いをして
良いのであれば呼べるが…お互い、それを望んでいない
上、いきなりVIP待遇で…とハードルが上がっている
事が原因なのではないか。
元・人気グループとして、下にはおかない、丁重な扱いを
したところで、ファンしか喜ばない。一般大衆をも惹きつける
には、ある程度の、意味の解体が必要になってくる。
意味の解体を、当人も喜び、解体を楽しみ、そしてまた、
元のスターの姿に戻る…という、即興劇である。
それが、今のテレビのバラエティの作法、文法のように
思うので…。「新しい地図」というグループの存在を念頭に、
少し考察してみた次第である。前述のようにそれが、今の
メインのテレビの文法であるからして、単に忖度…という
事だけではない事情があろうかと思うのである。
元々、所属していた事務所が「起用しないように」と陰に陽に
圧力をかけていたら、独占禁止法に抵触するであろうとは
思う。だが難しい面もあって、事務所を辞めたタレントに
対しては、当然、プロモーションもマーケティングもかけない
訳であり…事務所同士で公然と争うのも全く得策でないために
…独占禁止法に抵触せず、公然と、人気とマネタイズのみで
競争する市場は「完全市場」だろうが…芸能界が完全市場を
目指すのは良いが、そうなるのはとても難しい。
好感度や人気が、企画の面白さ、新しさ、諸々の要素があり、
それら要素を加減乗除して、そのまま視聴率に反映されるような、
線形の関数を為していないため…。
それよりも…テレビ東京の、手垢のついてない企画と人選で、
思わぬヒットを拾っていく…というやり方の方が狡猾だ。
新しいテレビの文法で起用するにせよ、それが難しいので
あれば、作り込める映画の世界や、テレビの文法とはあまり
関係のないネットの世界で活躍している、というので
あれば…むしろ、テレビの世界で、できる事がない、
とは言える。
テレビマンにもプライドがあるので、単にテレビで干されている
人を出しました、だけで終わるわけにはいかない上、
起用にも圧力があるとなれば、どうしてもリスク回避はしたく
なってしまう。人気があるとか以前に、テレビのその番組なり
ドラマなりで、どう演じて、何をしてくれるのか、とフラットに
見るのがテレビマンだと思う。
人気者を集めるだけでは視聴率が取れなくなってしまった時代に…
起用に難はあるが、人気はある人たちを使う事に臆病になって
しまう事を誰が責められようか?
これは、スキャンダルを起こした人の起用にも言えて…。
スター性があるからこそ、意味を解体したり、ずらしたりして、
番組や物語が成立するのである。既にゴシップによって、
意味が解体されてしまった人を、どう番組で動かしていくか、
というのは難しいのではないか、と思う。視聴者のクレームが、
という以前に、意味合いが変わってしまった人は、
以前と使いようが変わっていってしまうのは、これは作り手の論理
であるからして…。
何よりも、次々と新進気鋭の新人が、若者から老人、プロから素人まで
輩出されていく世界において、かつての知名度や、例え「大人気」で
あったとしても、番組に編成されない…というのは、単なる
独占禁止法だけでは説明できない状況ではあるかと思う。
この記事について
このページは、2019年8月4日の午前5時07分に最初に書かれました。
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