掌作・「映画館」
「夏のおじいさん」「青春笑劇」「深いところに」の三本立て。
深夜の映画館で、男は、真面目な邦画を見ながら、右手で見知らぬ女の胸を揉みしだく。
嫌がっているようで、女は、ポップコーンをどんどん口に入れて、
飲み込まず、それでもどんどん口に放り込む。
右手の動きが早まる。女はポップコーンをやめない。
「やめないか君たち!!」
恩師、荻元である。空調の音は、真面目な邦画のエンディング・テーマ
を包み込み、それらが三人を包み込んだ。
男は、メイクラブをやめ、女はポップコーンをやめた。次の
映画が始まった。今度は、女が男の股間を揉みしだき、男はポップコーン
をどんどん口に放り込む。
逆転劇である。荻元は、それを見て、よしとされた。
(終)
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