サイコ的、と呼ばれる人がいる。葬式でニヤニヤ笑ったり、
人を貶めて何とも思わなかったりする人だ。
また、アスペ的、と呼ばれる人もいる。サイコ的との違いは、
アスペ的には悪意はないとされ、素で振る舞う言動が
人を苛立たせ、違和感を抱かせるような人だ。
しかし、時代によって、求められる「普通の人格」というのは
違う。国や民族によっても、モデル的な、平均的な人格という
のは違うだろう。
それに加えて、悪意を抱く人間は異常でも気違いでもなく、
悪意そのものはありふれたものだ。釈放されたピエール瀧
の些細な行動に対して、解釈して悪意を見出すというのは、
あまりに人間を理解していない。
そういう解釈、講釈自体が、非人間的なように思う。
非人間的!フレエネミーという概念がある。
友人の振りをして本当は敵として振る舞う、という事だ。
ひとつの学校があって、そこに社会があったとして、必ず
フレエネミーは存在する。フレンドでもありたいし、
エネミーとしても振る舞いたい、そういう欲望を満たすのに
フレエネミーという「役」は便利だ。
人間は、けっこう、低い方に低い方に流れていってしまう。
agree to disagreeとか、個性の多様化とか、そういう事を
肯定していく事は、平均から外れた悪意のある人格も許容して
いかなくてはならず、みんなちがってみんないい、若しくは
みんなちがってみんなだめ、とは、常にジレンマやトリレンマを
抱えた、遷移を前提とした状態であるという事。
つまり、サイコもアスペもフレエネミーも文化的差異もあるのだから、
そういう人もいるのだ、と事前に、事後に学習して、
なるべく損害を被らないように対処していかなくてはいけない。
そういう自分だって、僕だって、過去はサイコであり、アスペであり、
フレエネミーだったかも知れない。
フレンドに擬態したエネミー、という、社会的擬態とでも言おうか、
やはり人間社会もひとつの野生であるのかとも思う。
今、地方選挙の車があちこちで走っているが、「うるせえなあ…」と
独り言を言ったのに対し、「ありがとうございます!」と
ウグイス嬢が返すのは、実にフレエネミー的な感じがするのである。
ある種の議員であるとか、ある種の役員であるとか、
構造的にフレエネミー的な存在であったりもするかと思う。
補助金を地方に回してくれるというのは「フレンド」的な行動であるが、
実際、それで地方が腐っていけば「エネミー」だ。
そういう仕事は、フレエネミー的人格に適した仕事であり、
サイコにもアスペにもフレエネミーにも、適性のある仕事が
この浮世にはあるという事である。
フレンド!あらゆるフレンドには、多面性があるのかも知れない。
フレンドでありながら恋人、
フレンドでありながら敵、
フレンドでありながら仕事仲間、
フレンドでありながらライバル…。
フレンドのもう一つの面、属性、それは、
ある程度わかる。認識できる。
そのもう一つのカードが重要だ。それで役が決まる。
大人の社会には非常にフレエネミーが多いと感ずる。
エネミーではなくてライバルであって欲しいと思う。
せめてね。
ライバルという言葉には、単なる潰すべき敵、という
意味合いではなく、敵に対する敬意があり、愛情がある。
「フレンドだ」という嘘ではなく、フレンドでありライバル
である、というなら、だまし討ちはしないだろう。
フレエネミーとは、友人の皮を被って、だまし討ち、
不意打ちをする奇襲戦法を取る。堂々とライバルとして
登場すれば良いと思う。
フレンド+ライバル。ライバルという言葉には
ロマンティズムがある。ロマン主義を叩く理由というのが
今いち僕には理解できないので、僕はエネミーよりも
ライバルを愛する。
エネミーは、皆で叩けば大丈夫だ。
フレエネミーこそを怖れるべきだと思う。
フレンドが実はフレエネミーだった…という衝撃を、数年に一度
経験している僕からの提言だ。
きっと僕は、フレエネミー的な人格から狙いやすい、
格好の獲物なのだと思っている。
フレエネミーという連中は、フレンドというポイントも貯めたいし、
エネミーとして行動する事で、自身の攻撃衝動も満たしたいという
奴等だ。そういう人間がいたとしても、僕はちっとも不思議ではない。
完全なエネミーでは社会的な立場が失われるので、彼らは、
フレンドという隠れ蓑に隠れて、エネミーとしての任務を自身に
課して、それを遂行する、現代において平均的な人格の人間である。
この記事について
このページは、2019年4月15日の午後4時46分に最初に書かれました。
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