終末のガイドブック

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名前も知らない男が、俺のベッドで眠っている。昨夜路上で拾ってきた奴なのだが、泊まるところがないという。俺はソファーベッドで眠り、今、牛乳を沸かしている。

テレビでは、朝から相撲中継。初の日本人横綱が宇宙人だったので、千秋楽を朝から取り直している。男が起きてきた。無言である。自分は牛乳をカップに入れてやり、食卓に座る。男も座る。

奴は牛乳をゆっくりと飲んで、何か言おうとしている。俺は黙っていたし、俺の携帯電話が鳴り始めた。友達からの電話であるが俺はそれを無視した。

こいつは何者なのだろうか。風体は冴えない眼鏡のオタク、着ているものは薄汚れたジャンパー。俺は何もかも嫌になったので、核ミサイルのボタンを押した。世界は48秒後に滅亡するだろう。そう思うと、笑いがこみ上げてきて、核の炎で全員死ぬ寸前まで、呵々大笑、呵々大笑である、49秒目の事は記憶にない。

牛乳のカップから湯気が出ている、奴は、ずっと無表情のままだった。


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