瞬景

with コメントはまだありません


深く深く水の中に落ちていく。呼気が気泡となって海面を目指し、私は海底に向かう。

海底には潜水艦があった。覗き窓を叩いてみると、亡妻が居た。おい、お前なのか。私の言葉は気泡になって消えてゆき、呼吸が苦しくなる。

「××さん、また巡回しますから、何かありましたら其処のブザーを」

潜水艦の中の亡妻は本当のそれではない、もっと深く海溝を潜らなければならないだろう。私は大きなフラフープを目印に海溝の淵を目指す。

もっと深いところで、亡妻は、シングルベッドに横たわっていた。おい、しっかりしろ。生まれ変わるんだろう?しっかり、しっかり。私は夢の中に居る事を自覚した。これは私の深層心理の風景というわけだ。それならばミラクル。

王手、飛車取り。

七冠王が最後の一冠を奪われた瞬間に見た、白昼夢でありました。彼は、そのまま、あじさいの露と消えました。

あじさいの花が、咲いていた。

----露と落ち露と消えにし我が身かな 難波の事も夢のまた夢


この記事について
このページは、に最初に書かれました。
その後も、内容を更新したり、削除したりする場合があります。
古い記事は、内容が古くなっているか、間違っている場合があります。
その場合でも、訂正や修正をしない事もあります。
また、記事は、用語の厳密性に欠き、表記揺れも含みます。
厳密な調査に基づいた記事ではありません。これは筆者の主観です。
怪文章のようなものもありますので、回覧にはご注意下さい。
自分でも、「馬鹿が馬鹿言ってる」と思うような記事もございます。




SiteMap | ページ一覧 | サイトマップ